29歳当日
29歳になった。
本当はさっさと30歳を迎えたい。
年々誕生日が静かになってゆく。
祖父とテレビ電話をした。
祖母は足のリハビリが済んだら、
「おじいちゃんと会いにいくね」という。
私が行けばいいんだよな、よく考えたら。
なぜに行けないんだろう。
今の自分の姿をみっともなく思っているから?
みっともないんだろうか。
毎月5,6万分しか頑張っても働かなくて、
のこりは親に助けてもらって、
やっと生きているのかと思えば
実はちょっと息抜きにお茶をしたり、
何ヶ月に一回はゲームも買っている。
交際費はないんだからと、
本は自由に買っている。
要は病気とはいえ、ぬるま湯のような暮らし、
そう揶揄されても仕方のない暮らし。
そんな私を私が許せないのは、
日々の悪夢の内容からも明らかで、
私は怠け者怠け者だと、激しく叱責された。
だれか貨幣経済をぶっこわしてくれまいか。
働けなくても、生きられるように。
もしくは死ぬことを選べるようにしてくれ。
変わりたい、抜け出したい、
でも私は今どこに堕ちているのかすら、
わからないんである。